アメリカ
「人種のるつぼ」といわれるほど、世界各国からの移民が多いのも大きな特徴の一つで、多種多様な人がいるからか、平等に対する意識が高く、何ものにも囚われない自由さを尊ぶ。自由という点では、独立宣言もいうように、アメリカの独立そのものが国民個々人の自由の確保を目的としていた。それだけに自由はアメリカ社会の基本的な価値とされ、自由とアメリカは深く結びつけられている。しかし、アメリカ国民を人為的、意識的に統合する信条として自由が用いられ、そのために自由主義以外の思想に対して不寛容になりがちなことにも留意しておきたい。
歴史文化
今日の世界に存在している国民国家の大部分は、植民地支配に抵抗して独立を勝ち取ったいわゆる新興国家であるが、1776年にイギリスから独立を宣言したアメリカはいわば世界史上初の新興国家だ。
古くは、古代からのアメリカ先住民の時代を経て、ヨーロッパ各地からの移民がはじまり、東のニューイングランド地域から次第に西へと移民が拡大し、太平洋まで到達したのが有名なゴールドラッシュ。それ以来1776年まではヨーロッパ各国の植民地であった。独立後は次第に州が増えていきスペイン、フランス、メキシコ等から国土の割譲を受けて、現在のアメリカ合衆国になっていく。50州のうち一番最近加わったのは、日本人の馴染み深いハワイで、1898年のことである。
「人種のるつぼ」といわれるほど、世界各国からの移民が多いのも大きな特徴の一つで、多種多様な人がいるからか、平等に対する意識が高く、何ものにも囚われない自由さを尊ぶ。自由という点では、独立宣言もいうように、アメリカの独立そのものが国民個々人の自由の確保を目的としていた。それだけに自由はアメリカ社会の基本的な価値とされ、自由とアメリカは深く結びつけられている。しかし、アメリカ国民を人為的、意識的に統合する信条として自由が用いられ、そのために自由主義以外の思想に対して不寛容になりがちなことにも留意しておきたい。
政治
「隣の芝生は…」というやつかもしれないが、自分で国家元首を選べない日本人にとって羨ましいのが、アメリカの大統領制だ。任期は4年で、1951年の憲法修正によって2期8年以上の再選は禁じられている。4年ごとにめぐってくる大統領選挙の年には、その年の前半にまず共和党・民主党の大統領候補者が各州で党の集会や投票をし、やがて全国的な党大会を開いて、それぞれの党の大統領候補者としての指名を争い、年の後半に両党の大統領候補者が全国的に選挙戦を展開する。
日本人にとって大統領制ほど注目度はないが、連邦議会についても少し説明しておこう。
議会は上院と下院からなり、下院議員は任期2年、人口50万人に1人の割合で各州に割り振られ、1選挙区1議席の小選挙区制で選出される。上院議員は各州から2名ずつ選出されるもので、任期が6年。議員の3分の1が2年ごとに改選されていく。上院の議長は副大統領があたり、ここにかろうじて行政部と立法部が結びつけられている。ちなみに、現在の議員数は下院435名、上院100名で、計535名。その徹底した合理性からか、日本よりも広い国土と人口を持ちながら、日本の衆・参両院合わせた議員数よりも少ない議員数で行政を動かしている。2009年にはアフリカ系初の大統領(バラク・オバマ氏)が就任。
経済
大きな経済規模を持ち、その技術開発力と生産力、消費力で世界経済を引っ張る存在である反面、富裕層と低所得者層の格差は大きい。2000年代の初期に入ると、ITバブルの崩壊によって好調だったアメリカ経済は減速する。
2001年9月11日には同時多発テロが発生、これにより国家資源を軍事に転換させることになる。
2008年にはサブプライムローン問題を発端に、不動産価格の下落から深刻な世界金融危機が起きた。そんな中、自動車業界では原油価格の暴騰や、労働賃金や年金などのコスト高といった構造、格付け会社の引き下げが資金調達をより困難にさせ、アメリカ産業の象徴とも言われた企業群を倒産に追いやることになった。
気候
日本の25倍の国土を持つアメリカなので、季節と場所によって気候も異なる。とくに北と南の気温差は激しく、マイアミなら1、2月でも海水浴が可能だが、五大湖周辺はマイナス10度を超える日も珍しくない。太平洋岸は日本と比べれば1年を通しての気温差が少なく、フロリダを除く南部は日本の気候に近い。内陸部の冬は厳寒、夏も意外に暑く、日本に比べて厳しい気候といえる。
観光客が増えるのは一般的に5月末から9月始めにかけて。この季節は、アメリカ南部を除けばいいシーズン。南部、とくにフロリダ周辺は暑いうえに湿度も高く過ごしにくい。南西部やカリフォルニアなら冬はさほど寒くないので1年を通してよいシーズンと言える。
治安
誰もがまず思いつくことは「民間人も自衛のために銃の使用が許可されている国」ということではないだろうか。実際、銃による犯罪は後を絶たないが、「自分は外国にいる」という最低限の危機意識を持てば必要以上に怖がる必要はない。
特に都市部においては、特定のエリアのみが危険地域として知られ、一般的にそれほど治安の悪さを実感することはないだろう。もちろん、危険地域や治安の情報はしっかりと収集しておく必要はあるのでガイドブックを利用したり、現地でつながりのある友人や講師などに尋ねたり、気を付けるようにしよう。基本的には、人通りの少ないところや夜間の外出などに気をつけていれば、犯罪から身を守ることができる。
物価
大都市では比較的モノの値段は高いといえるが、それでも日本の物価と同レベルである。田舎に行くほど日常で必要なものは安くなる傾向にある。季節のセールとなるとかなりの値下げがあり、またアウトレットだと年中安い値段で洋服等を購入することができる。各州によってかかる税金(消費税など)の比率が違うの要注意。全体としては、一部(ホノルルやニューヨーク)を除き、日本より安いと考えて問題ない。
交通
広い国土を持つアメリカは飛行機での移動が一番便利と言えるが、日常生活では自動車での移動が欠かせない。日本との違いは右ハンドルか左ハンドルだけ、というわけではなく、赤信号でも右折は可能(地域によっては禁止しているところもあり)、緊急車両が通るときは自動車を停止させる等独自のルールがあるので気をつけよう。また、国中を横断しているグレイハウンドバス、列車など様々な移動手段があるので目的によって使い分けることをお勧めする。都市部では地下鉄等が整備されており便利。
言語
建国の歴史から英語が事実上の国語。近年増加傾向にある中南米からの移民はスペイン語を話すため、スペイン語を学ぶ人も多く、街中では看板等の表記は英語とスペイン語が併記されることも多い。
時差
アメリカ本土には5つの時間帯がある。
なお、ハワイ時間を除く地域においては3月の第2日曜日午前2時から11月の第1日曜日午前2時まではサマータイム(Summer Time)を採用しており、標準時間よりそれぞれ1時間早くなる。
東部時間(Eastern Time) | 日本マイナス14時間(サマータイム期間:マイナス13時間) |
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中部時間(Central Time) | 日本マイナス15時間(サマータイム期間:マイナス14時間) |
山岳部時間(Mountain Time) | 日本マイナス16時間(サマータイム期間:マイナス15時間) |
太平洋時間(Pacific Time) | 日本マイナス17時間(サマータイム期間:マイナス16時間) |
ハワイ時間(Hawaii Time) | 日本マイナス19時間 |
祝祭日
1月1日 | 元旦 New Year’s Day |
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1月の第3月曜日 | キング牧師誕生日 Martin Luther King Jr.’s Birthday |
2月の第3月曜日 | ワシントン誕生日(大統領の日) Washington’s Day(Presidents’ Day) |
5月の最終月曜日 | 戦没者追悼記念日 Memorial Day |
7月4日 | 独立記念日 Independence Day(The 4th. of July) |
9月の第1月曜日 | レイバーデイ Labor Day |
10月の第2月曜日 | コロンブスの日 Columbus Day |
11月11日 | 退役軍人の日 Veterans Day |
11月の第4木曜日 | 感謝祭 |
12月25日 | クリスマス Christmas Day |
※ これらは公的な祝日であり、独自の祝日を設定している州もある
電圧について
アメリカでは電圧が120Vで周波数が60Hz(日本は電圧は100V、周波数は50もしくは60Hz)。多少の差であれば使えないことはないと思われる が、コンピュータや携帯電話などの精密機器の場合は、変圧器を利用した方がよい。プラグは日本と同じ2本ピンのAタイプが多いがアメリカ専用のアダプター を用意した方がよい。
電話について
市内電話はそのままの相手番号を押せばよい。市外電話の場合は「1」をプッシュしてから市外局番、電話番号。公衆電話から電話をする場合、最低50セントが必要。
タバコ・お酒について
米国で法的に喫煙が認められている年齢(smoking age)は18歳。また、米国で法的に飲酒が認められている年齢(drinking age)は21歳。近年、タバコについては身体に害があるものとする傾向が一段と強くなっているので公共の場での喫煙ができなくなっているところが多い。 アルコール類はスーパーやコンビニでも購入できるが、身分証明書を提示を求められる。各州によって数時間違うもののバーなどでは、お酒を提供できる時間に 制限がある。タバコについては、ほとんどの公共施設で吸えなくなる傾向にあり、レストランやバーも全面禁煙というのも珍しくない。
郵便
アメリカから日本への普通郵便(ハガキや封書)は約1週間で着く。2009年現在でハガキは世界どこへでも98セント。封書は重さや大きさ、送る相手国のグループ(日本は3)によって料金は異なる。